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クラピアって何?

クラピアとは日本の雑草研究における第一人者である宇都宮大学講師故倉持仁志氏が沖縄県に自生するイワダレソウを原種に、 “草で草を制す”というコンセプトのもと10余年の歳月をかけて改良を重ねて生み出した国内唯一の品種登録済イワダレソウです。

◎植物名:クラピア(イワダレソウ改良種)
◎学 名:Phyla Lour.
◎科 名:クマツヅラ科
◎属 名:イワダレソウ属

※クラピアは改正種苗法による登録品種です。茎、葉、根、種苗の一部を無断で栽培、増殖、譲渡、販売、輸出入等しますと種苗法に違反しますのでご注意ください。

クラピアは常緑樹?

クラピアは多年草植物ですが常緑ではありません。
日平均気温が15℃ 以下になると生長が止まり、10℃以下になると徐々に紅葉して休眠に向かいます。翌春、日平均気温が15℃以上になると再び萌芽して約2か月で全面に被覆します。

温暖な地域で日当たりの良い南向き法面の場合、完全に休眠せずに春を迎えることもあります。

【寒冷地での寒さ対策】

全面被覆する前に休眠を迎える場合や、被覆していても寒冷地に植栽されたクラピアは茎や根を寒さと乾燥から保護して頂く事をお勧め致します。


(1)クラピアの株元に目砂をかる

(2)保温・防霜用シート(透水性があり薄い白色で光を通すもの)や落ち葉で覆う

寒い地域でも育つ?

寒い地域でも、土にしっかりと根付いた状態であれば、最低気温がマイナス10℃を下回らない地域であれば生育可能です。

ですが、北海道は環境的に育成が難しいため、販売は行っておりません。

また、本州でも標高1,000mを超える地域はお勧めしておりません。

日当たりはどれくらい必要?

クラピアは日照を好む植物です。

生長には最低「3時間/日」の日照が必要です。植え付けを行う際は、日照時間なども考慮しながら場所を選んで植えてください。

また、ビルの北面など、全く直達光が当たらない場所でも散乱光によってある程度日照が望めれば生育が進みますが、日照が少ないと日を求めて草丈が高くなり、徒長する現象が起こります。密生して草丈が低い状態を作るには、より多くの日照をもらえる環境で植えて頂くことを推奨しています。

事前除草は何をすればよい?

クラピアは背丈の低い植物なので、雑草の陰になってしまうと成長に影響を与える恐れがありますので、雑草はしっかりと取り除いてください。

また、大き目の石などがありますときれいに被覆しなかったり、転んだ際の怪我の元になりますので、目に付くものは取り除いてください。

除草剤は使用しても大丈夫?

事前除草として散布する除草剤は、残効性のない茎葉処理剤をご使用ください。

一般的に入手しやすいものとしては、「ラウンドアップマックスロード」になります。

根までを枯らす除草剤ですので、雑草の葉や茎がある状態で散布してください。

土への残効はほぼありませんが、念のため、2週間空けてからクラピアを植栽してください。

※薬剤がかかった植物はクラピアを含めて全て枯れてしまいますので、枯らしたい雑草のみにご使用下さい。

【不向きな除草剤】

茎葉ではなく、土に撒いて根から吸わせて雑草と種子を叩く土壌処理剤という種類の除草剤は、一般的に残効期間が長い為、クラピアを植える前の除草には適していません。

グリホサートと土壌処理剤を混ぜた除草剤もクラピアには不向きです。
残効のある土壌にクラピアを植えてしまうと、クラピアも影響を受けて枯れてしまう可能性がありますのでご注意ください。

より防草効果を高めたい場合は?

クラピアは、グラウンドカバープランツの中でも唯一防草シートと併用して植えることが出来る植物です。

クラピア専用防草シートを併用することで、事前除草を行ってから全被覆するまで雑草を抑制効果を高めることが出来ます。

全被覆するとシートは隠れて見えなくなりますので、見栄えも気にすることなくご使用いただけます。

クラピア用防草シートは、クラピアの植付前に先行して敷設することができますので、除草と整地を行なう→クラピア用防草シートを敷設する→クラピアの植付を行う、というように日を分けて作業を行うことも可能なので、効率よく進めることが出来ます。

すぐに雑草が再生しないようできる限り環境を整えることで、その後の管理の手間も省け、美しくクラピアを被覆させることができます。

※ご注意
クラピア用防草シートを使用した場合でも、完全に防草することはできません。
植穴やシートの端などの隙間や、シート上に土が残っている場合など、それでも出てくる草もあります。目立つものは手抜きや刈り取りを行ってください。

また、チガヤやススキ、葦、クズなどの強雑草は、クラピア用防草シートでも防ぐことが難しいため、除草剤などで完全に除草してから植え付けて下さい。

クラピアが育ちやすい土はどんな土?

クラピアは、排水性が良く、適度な保水性のある土を好みます。

改良が必要な土壌の場合は、事前に改良しておくことで成長しやすくなり、病気やトラブル回避にもつながります。

【改良が必要な土壌】

(1)水はけが良すぎる土壌・保水性がよくない砂質の土壌

水はけの良すぎる土は、乾燥しやすく、また雨などで有機物が流れ出てしまいほとんど含まれていない為、育ちにくくなります。このような土は、肥料を与えても水分と一緒に流れてしまうため、保水性を高める改良が必要です。

《改良方法》

土厚15㎝に対して、20%の改良土(花用の園芸用土)を入れて全体を混ぜて下さい。

※培養土は土の中で菌が繁殖する恐れがあるため、改良には向きません。

(2)水はけが悪く、粘土質の土壌

粒子が細かく締固められやすいことから、水はけが悪く、地中の酸素も不足しがちになってしまう為、クラピアが育ちにくくなります。もともと田んぼや畑だった場所はこのような土が多いです。

《改良方法》

土厚15㎝に対して20%程度、水はけの良い川砂を入れて全体を混ぜて下さい。

※注意:山砂は粒子が細かく、改良には向きません。

水やり方法は?

【植え付け当日】

クラピア苗を植えたら出来るだけ早く「1ポット当り500ml」を目安にたっぷりと水やりを行ってください。

500mlを一度に与えるとあふれて周辺に流れ出てしまいますので、2~3回程度に分けてゆっくり吸収させて、植穴の底とポットに触れている土までしっかりと水が回るようにあげてください。

植える苗が多い場合や、一人で植える場合は、ポット苗が乾ききらないよう、20ポット程度植えたところで先ずは初回の水やりを行って頂くことを推奨しています。

【翌日以降から2週間】


植え付け直後から2~3週間のクラピアは、根を地中に深く張ることから生長が始まる為、この時期は地上部は広がりません。
クラピアの根は真下方向に深く伸びていきますので、植えてからの約2週間はポットの下の土まで水が届くことが重要です。

適度な保水性のある土壌で猛暑でない時期であれば、植えた直後に「1ポット当り500ml」しっかりお水を与えておけば翌日以降の水やりは多少間隔があいても大丈夫です。

・・・公共や民間での工事案件の場合・・・

施工時の水やりしかできない場合も多くあります。そのような現場でも、初日の水やりを1ポット500mlを目安にしっかり行って頂ければ翌日以降の水やりは自然の降雨に任せて頂いても生育できます。

※ご注意※
真夏の猛暑日が続く日や降雨の無い日が続き土が乾いている状態の場合は、地表部が広がるまでは土の乾燥に注意して頂き、2日に1度程度、午前中に水やりを行ってください。

真夏の植え付けで降雨がない場合も同様に、土が乾いているようであれば水やりを行ってください。
 

【地表部のクラピアが広がり出したら】


植え付けてから2~3週間経つと地表部のクラピアが広がりだします。
この頃にはある程度根も伸びている状態になりますので、保水性のある土壌の場合は自然の降雨だけで生長できますので、人為的に水やり行う必要はありません。



 
※下記の環境の場合は水不足になりやすいため水やりを続けて下さい。

(1)猛暑続きで降雨がない場合
特に夏季の植え付けで一週間以上雨が降らず、高温の日照りが続く場合は午前中に水やりを行ってください。根が深く伸びていない状態ですので乾燥して枯れてしまう場合もあります。
 
(2)砂質など、水はけの良過ぎる土壌の場合
広がった先のクラピアの茎葉は、地面に水分があるときに発根して根を下ろす為、地面がからからに乾いていると根を下ろすことができません。
根が下せないと、株元の栄養が奪われてしまいますので、その状態が長く続くと株元から伸びた茎が太くなり、木質化していきますので見た目が悪くなります。

広がった先の茎葉が根を下ろすことで、クラピア全体で栄養と水分をもらえるようになり、更にその先まで広がる力を得ることができますので、全面に被覆するまでの間いは伸びた茎から根が下りているかもご確認ください。


 
【全面に被覆したら】


全面に被覆した後の水やりは不要です。根も深く張っているので地中からの水分で維持できます。

クラピアにおすすめの肥料は?


クラピアは小さい苗で植えて、早期に被覆させる植物です。

広がり始めた頃に追肥を行って頂くと生育が進み、肥料切れになると生育が止まりますので、クラピアの生育に合わせて追肥としても使用いただけるメーカー推奨の「有機一発肥料」をおすすめしております。

有機肥料と被覆肥料がミックスされていて、クラピアの生育とともに徐々に肥料が溶けだす最適な肥料です。

【元肥として使用する場合】

メーカーでは、植え付けを行う際、クラピアの下だけに元肥を土と混ぜて投入する方法を推奨しています。

植栽地全体に肥料を入れると雑草に対しても肥料を与えることになることから、植栽地全体への施肥は避けたほうが良いというところから、この方法を推奨しています。

【追肥として使用する場合】

植え付け後成長が遅くなったり止まってしまった場合や、休眠期前・芽吹きの時期に追肥を行うと生育を助ける効果もあります。

※ご注意※

葉に肥料が付いたままになってしまいますと、肥料焼けを起こす可能性がります為、追肥を行った際はほうきなどで軽くはらい落としてください。

クラピアが上手く広がらない主な原因は?

1.肥料不足

クラピアが広がらない、生長が遅い原因でも一番多いのが地中の栄養不足=肥料不足です。
生育が遅いなと感じた場合はまず肥料不足を疑って頂き、メーカー推奨の「有機一発肥料」を追肥して様子を見てください。

植えてから初期であれば株元部分に、一度被覆した後であればクラピアが広がっている植栽地全体に追肥を行ってください。(葉に肥料が直接付いたままになってしまわないよう、ほうきなどではらい落としてください)

2.水分過多(水のやりすぎ)

肥料不足の次に多いのが、水のやりすぎです。
植えてから2週間程度は土が少し湿った状態が理想ですが、根が伸びてクラピアの地上部が広がりだした後は自然の雨に任せて水やりは控えてください。
根が常に水を受けている状態ですとストレスになりクラピアの生育が逆に悪くなります。

また、地中の菌の増殖や根が弱って地上部が枯れるなどの影響も出てきますのでご注意ください。

 3.土が硬すぎる、締め固まっている

クラピアは地上部に広がった節々からも根が出てきます。

土が硬くて新たに出た根がなかなか土に入って行かない場合、土の表面を少し耕して柔らかくすることで根が通りやすくなります。
また、植え付けから翌年以降で徐々に広がりが遅くなったという場合は、経年で土が締め固まってしまった可能性があります。

その場合は、エアレーションを行って頂くと土に酸素が届きやすくなり生長しやすくなります。

4.日照不足

クラピアは日当たりの良い場所を好みます。日照が少ない場所では生長が遅くなってしまったり、光を求めて草丈が高くなります。植え付けの際、最低3時間の日照りのある場所であるかを確認を行ってください。

5.気温が下がり生長時期ではなくなった

クラピアは日平均気温が15℃以下になると生長が止まり、10℃以下になると休眠に向かいます。

休眠が明けて春になればまた新たに芽吹いてきますのでそれまでお待ちください。

※ご注意※

休眠期は冬枯れと言って、葉が茶色くなってしまいますが枯れているわけではございません。

クラピアは病気になる?

クラピアは地中の水分が多いと地中の菌が増殖し、根が弱って病気に掛かり枯れてしまいます。

クラピアの代表的な病気として「白絹病」があげられます。これも同様に水はけが悪く土が高温多湿の環境になってしまった事により、土の中で菌が繁殖し、白い糸状の物が発生する病気です。

また、植え付けを行う際に土の改良として、培養土を使ってしまうと土の中で菌が繁殖し病気になる原因になります為、改良を行う際は必ずホームセンターで市販されている一般的な花用の園芸用土をご使用ください。

クラピアが病気になってしまた時の対処法は?

土の表面10cm位まで浸透するように殺菌剤を散布することで菌が減り、病気の広がりが止まります。

「リゾレックス水和剤」か、「モンカットフロアブル水和剤」いずれかの散布をお勧めします。ラベルに記載された樹木類の散布方法、回数に従って散布してください。

※上を歩いているうちに、靴底などに菌が付着し、あちこちに運ばれている可能性がありますので、症状が出ている箇所だけでなく、周辺含めて植栽地全体に散布してください。

※リゾレックス水和剤と、モンカットフロアブル水和剤は、それぞれ効果のある菌の種類が異なります。どの菌が影響しているか特定が難しい為、いずれか一方を散布しても症状が拡大するようであればもう一方の薬剤を散布してみて下さい。

尚、殺菌剤で菌の密度を下げることは出来てもゼロにはなりません。
再発を防ぐために、殺菌剤の散布と合わせて、枯れた場所のクラピアと表土5cm程度の深さの土を除去し、新しい土に入替えるとより効果的です。


※入れ替える土は、市販されている花用の園芸用土か、菌が発生しにくい川砂を混ぜた土をご使用下さい。

虫が発生した場合の対処法は?

メーカーではクラピアへの害のないオルトランをご案内しております。

クラピアは壁や塀をつたって伸びたりする?

クラピアは、蔓(ツル)のように壁や塀に巻き付いてしまう事はありません。

ただ、壁際ですと日照不足により、クラピアの背丈が20㎝程度伸びてしまう可能性があり、雨の時期など蒸れやすくなるので3~5㎝程度まで刈り取ってください。